侮辱的な初版・・・
プッチーニの日本に対するイメージは
改訂前の初版に露わでした。
例えば 一幕、
周旋人ゴローが
三人の使用人を紹介する場面。
ゴロー:「こちらが浮雲さん
こちらが日出光さん
そして こちらが
香昇さんでございます」
それを聞いたピンカートン、
「俺は三匹の馬鹿面と呼ぶぞ!
一番馬鹿、二番馬鹿、三番馬鹿だ」
「さあ、三匹の馬鹿面たち!
クモと白ハエを用意してくれ。
それから
シロップ漬けの巣と
不味い酒!
気持ちの悪い日本の珍味もだ!」
・・・聴衆ドン引き😖
スカラ座初演 大失敗。
プッチーニにこれ程までも見下された日本は
時を同じくして
大国ロシアを相手に勝ち進む勢いにありました。
プッチーニはそんな情報に瞠目し、
日本に対する侮辱的な場面を
どんどん改訂してゆきました。
蝶々さんの伯父ヤクシデが
酔っ払って歌う品の無い曲も
カット!
第三幕には
ピンカートンのアリアを加筆しました。
「さらば、愛の巣よ♬」
このアリアが加わることによって、
女性を単なる欲望の対象としか見ない
遊び人のピンカートンの印象が
少し和らぎ、
蝶々さんは一時期にせよ
彼から愛された証となりました。
ヒロインの地位が向上した訳です
さて、
明日は何をお話いたしましょうか。
軽井沢森の音楽祭2019
8.25(日)15:00開演
中川座オペラ
プッチーニ作曲『蝶々夫人』
(全幕ハイライト 語りつき)
会場:脇田美術館
会場:脇田美術館